※画像はイメージです。

安藤夏子さん（仮名）は１人暮らしで、人との関わりの薄い生活をしていました。長男は、週３日泊まり込みで様子を確認していましたが、高額な商品を買ってしまったり、何かがあると近くの警察署に駆け込むなどの行動が増えていきました。安藤さんだけでの生活は難しくなり、当グループホームへ入居しました。

入居後、不安そうな様子で「家に帰る」「警察に行きます」と、つえを突きながら事業所内を歩き回っていました。職員は安藤さんの言動の裏側に「何でここにいるのか分からず不安なのではないか」と考えました。

まずは職員の顔を知ってもらって事業所に慣れてもらいたいと、食器拭きや洗濯物畳みなどを一緒に行うなど関わりを増やしました。すると職員の顔を覚え、安藤さんから声を掛けてくれるようになりました。また、気の合いそうな利用者と食事の席を近くしたり、夕食後に話ができる環境をつくることで、事業所内での交流機会も増えていきました。

徐々に安藤さんの言動は落ち着き、体操や歩行練習を積極的に行い、笑顔が多く見られるようになりました。今では、つえを使わなくてもふらつかず歩けるようになっています。長男は「母は自宅にいた頃、他の人との関わりがなく、会話も笑顔もないまま暮らしていましたが、愛の家に来て本当に変わりました。体の調子も良さそうだし、笑顔で、他の利用者と話す姿を見ると安心します」と、安藤さんの変化に驚きながら大変喜んでいます。

グループホームは同世代の方と共同生活を行うという利点があります。共同生活の中で、利用者や職員とコミュニケーションを取り、活動をすることで、孤独感を軽減し、不安を安心に変えることができます。

「愛の家グループホーム荒川南千住」（東京都）　副ホーム長