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藤田大吾さん（仮名）は妻や長男夫婦と同居していました。１年前に妻が当グループホームに入居後、藤田さんは毎日会いに来ました。昔から言葉遣いに厳しく、何事も人に頼らず自分で行いたい性格でした。徐々に身の回りのことができなくなっても家族の手伝いを拒み、次第に着替えや入浴も行わなくなりました。心配した家族が妻と同じ介護施設への入居を提案し、藤田さんも「妻がいるところなら」と受け入れました。
入居当初、職員の声掛けが気になって毎日怒っていました。職員の手を借りずに自分で行いたい様子で、入浴の見守りなどを必要とせず、１人で入ることを希望しました。職員の声掛けによっては入浴を断ったり、入浴中に何度も状況を確認されて怒ったりしました。職員は藤田さんの気持ちを尊重し「入浴の準備ができましたがどうされますか」と行動を選択してもらう声掛けに変え、入浴中はいつでも介助できる場所から見守ることにしました。
歩く際にふらついて転倒していましたが、自主的に運動に取り組む様子があり、そばで見守りました。声掛けや関わり方を変えたことで藤田さんは怒らなくなり、職員と笑顔で会話ができています。今では食事前の号令を担当し、時には「今日も一日良い日になりますように」と付け加えてくれます。同じフロアにいる妻と過ごし、自分のことは自分で行えるよう支援しています。
介護職が大切にすべき考え方として、利用者が「できることは自分で行う」と発言した場合は、身体機能の維持や自信にもつながるため、尊重します。声の掛け方や関わり方を変えることで、意欲的に行動ができる生活に変わり、他の利用者との関係も良くなることが多いです。
「愛の家グループホーム葛飾青戸」（東京都）　ホーム長