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山田秀子さん（仮名）は３年間、１人で自宅に引きこもり、こたつで横になる生活をしていました。
自宅に介護職が訪問する介護サービスを利用していましたが、次第に歩けなくなり室内を四つんばいで移動するようになりました。
別居している家族が準備した食品を腐敗（ふはい）させることも増えました。
排泄（はいせつ）の失敗も多くみられたことから当グループホームへ入居しました。
山田さんは入居当時、何を聞いても「はい」とのみ答え、笑顔もなく過ごしていました。
自宅からこたつを持ち込み、１人で過ごすことを好みましたが、家族は他の利用者と一緒に過ごしてほしいと希望していました。
職員は支援方法を考え、何かつかめば床から立ち上がれたため足の運動に取り組み、歩いて生活すること、他の利用者と関わる時間をつくり一緒に過ごすことを目標に計画を立てました。
運動や活動の声掛けや支援をしたことで、徐々に下肢の筋力は向上し、押し車を使用して歩行ができるまでに回復しました。
家族は歩けるようなったことを大変喜び、新しい押し車を買ってきてくれました。
歩けるようになったことで、寝る場所もこたつではなくベッドへ変更できました。
他の利用者と交流できるように席の配置も変えました。
共に活動する時間をつくると「はい」しか返答しなかった山田さんが一緒に声を出して笑ったり歌ったりしながらリビングで過ごせるようになりました。
今では、自由に歩いて過ごし、自分の思いを職員に伝えてくれています。
今できることに着目し、活動を支援したことで歩行状態が回復しました。
他の利用者と共に過ごすことで自然と笑顔になりました。
また、歌を歌えるようになったことで発語の促しにもつながり、本人の思いを他者へ自由に伝えられるようになりました。
「愛の家グループホーム五ヶ所」（三重県）ホーム長