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池内昭代さん（仮名）はサービス付き高齢者住宅で暮らしていましたが、環境になじめず、不安なことがあるとすぐに長男の彰さん（仮名）に電話をかけていました。毎日の電話が彰さんにとって負担となっていたこともあり、日常生活全般の支援が受けられる当グループホームに転居することになりました。
入居当初は落ち着かない様子が見られました。手持ち無沙汰になると「帰る」と玄関まで行ったり、携帯電話で彰さんに電話をかけたりしていました。池内さんが安心して過ごすにはどうすればよいか、そして彰さんの負担も軽減するためには何ができるかを職員と考えました。池内さんは夜、部屋で１人きりになると不安な気持ちが高まり、涙を流すこともあったため、職員は寄り添いながら、話を傾聴しました。
話を最後まで聴くことで、安心して休んでもらえるようになりました。日中の活動については、好みの活動を通して他の利用者と関係がつくれるよう職員が間に入り、居心地の良い場所になるように支援しました。彰さんにもその都度、池内さんの様子を電話で伝えました。
入居２カ月がたつと、「この場所にいてよい」と安心できるようになったからか、生活は落ち着き、電話の頻度も月に２、３回ほどになりました。今では得意の裁縫で布巾を仕立てたり、気の合う利用者と一緒に歌を歌うなど、笑顔が多く見られるようになっています。
認知機能の低下により、状況を理解することが難しくなるため「この場所にいてよいのか」など不安を感じやすくなります。日々の関わりの中で、不安を安心に変えるような関わりをすることによって、「ここにいてよいのだ」という安心感が得られます。
「愛の家グループホームみずなみ」（岐阜県）　ホーム長