※画像はイメージです。

林信子さん（仮名）は夫と２人で暮らしていましたが、認知症の症状が見え始め、食事が取れない、排泄（はいせつ）の失敗があるなど日常生活に支障を来す場面が増えました

元は仲の良い夫婦でしたが、介護の負担からか夫は林さんにかける言葉が時に強い口調になり、林さんは夫に対して萎縮（いしゅく）するようになりました。
２人で生活することは困難となり、当グループホームに入居することになりました。

入居当初は表情も険しく、緊張している様子が見られました。
特に印象的だったのは、就寝介助で布団をかけようとした際に身体をギュッとこわばらせるような姿勢をとったことです。
その様子から強い不安を感じていることが伝わってきました。
私たちはこの場所を心から安心できると感じてもらえるように話を聞き、信頼関係を築けるよう関わるようにしました。

また食事も取れていなかったことから、入居時の体重は31キロとかなりのやせ形でした。
低栄養状態のため、身体を動かす筋肉量も低下し、日常生活の動作にも支障が出ているようでした。
そのため通常の食事に加えて、体をつくるタンパク質、体を動かすためのエネルギーを補いました。

林さんは事業所での生活に慣れ、日常生活の動作を自分で行えることが増えていきました。
他の利用者と会話をしたり、好きな歌を口ずさんだりと楽しみを持ちながら過ごすことができています。
夫は林さんの大好きなそば饅頭（まんじゅう）を持って頻繁に面会に来ており、一緒に過ごす時間を楽しんでいます。

夫婦のどちらかが介護を必要とする場合、体力面や精神面など負担が大きくなります。
また外出が難しくなることで、ストレスを抱え込んでしまうことがあります。
介護サービスを利用することで、お互いの生活を立て直し、元の家族関係を取り戻すことができます。

「愛の家グループホーム土岐河合」（岐阜県）　副ホーム長