※画像はイメージです。

中村怜さん（仮名）は記憶障害の影響から身の回りのことを一人で行うことが難しくなり、親族の勧めから当グループホームに入居となりました。

入居当初は親族宅まで歩いて外出することができていました。しかし胆管炎の発症を繰り返し、入院することが続きました。入院を繰り返す中で身体機能の低下が顕著となり、立つこと・歩くことができない状態になりました。治療を受けて退院しても発熱する日が多く、食事は提供している量の１割にも満たない摂取量になりました。

職員は中村さんの状態が少しでも良くなればと、食事の支援について「好きなものであれば食事を楽しみながら食べる量も増えるのでは」と考えました。家族から中村さんがアイスやプリンが好きなことを聞き準備すると、うれしそうに食べられました。また、一人では寂しさで意欲が出にくいと考え、リビングで他の利用者と関わることができる機会をつくりました。

そうした関わりを続け、徐々に食事の摂取量は９割程ほどに増え、体重も増加しました。家族もその変化を喜び、職員に他にもできることを教えてくれるようになりました。正月には中村さんが好きな数の子を一緒に食べてもらうなど、家族と一緒にケアに当たっています。立つことが難しかった中村さんは現在、安定して立てるようになり、身体的にも良い変化がみられています。

身体の不調は精神面に影響を及ぼし、食欲を減退させ、食事摂取量が減少するなどの生活に影響があります。認知症グループホームは本人が好きなものを提供できる環境と、周囲の人とつながっていることを感じることができます。その利点を生かして、中村さんは回復することができました。

「愛の家グループホーム岐阜羽島」（岐阜県）　ホーム長