※画像はイメージです。

中西じゅん子さん（仮名）は認知症の影響で自宅での生活が難しくなり、当グループホームに入居となりました。中西さんは考えがうまくまとまらないなどの症状がありましたが、職員と会話をすることで考えがまとまり、入居後すぐに安心して穏やかな生活を過ごすことができるようになりました。

しかし、新型コロナウイルス感染拡大による面会制限の影響を受け、娘のカオリさん（仮名）と実際に会うことが難しい状況が続きました。そのことから、娘さんは「お母さんのことが心配で仕方ない」と不安そうな様子でした。そこで職員は今の中西さんの穏やかな様子を伝え、娘さんが安心できるように取り組むことにしました。

中西さんの現状を二つの手段で伝えることにしました。一つ目は、中西さんがカオリさん宛てに自分で手紙を書くこと。職員と話しながら手紙を書き、自分が安心して楽しく過ごしているという内容を知らせることができました。二つ目は、職員が外部向けに発信している事業所ブログで、中西さんの写真を３日に１回は掲載するようにしました。カオリさんは写真を見ることで、中西さんが楽しそうに話す様子など、どのような生活をしているか目に見えて分かるようになりました。この二つの取り組みを始めたことで、カオリさんは安心できるようになりました。

認知症の方は自身の考えがまとまらず、周囲の人に何かを伝えることが難しい状態になることがあります。悪い変化だけでなく、良い変化を伝えることも難しくなるため、周囲の家族ら親しい人は不安になります。支援する介護職が利用者の状態を適切に理解し、伝えたいことを周囲の人に発信できるように支援することで、今回のように家族の安心につながります。

「愛の家グループホーム常滑社辺」（愛知県）ホーム長