※画像はイメージです。

中川ミナミさん（仮名）が認知症グループホームに入居したことで、娘のコズエさん（仮名）は「母を介護施設に預けてしまった」という後ろめたい気持ちがあるようでした。
その気持ちからか「母は今、どのような状態ですか。何かできることはありますか」と２、３日に１回の頻度で、事業所に電話をかけてきました。
また、コズエさんはミナミさんからの電話で「もう帰りたい」と話すのを聞き、本当に入居させたことは良かったのか、と考えるようになり、職員にその悩みを伝えました。
職員は、コズエさんの不安が解消できるように関わろうと考え、取り組みを検討しました。

職員はまず、ミナミさんが事業所で安心して落ち着いて過ごすことができなければ、コズエさんの悩みは解消できないと考えました。
ミナミさんの不安の原因について、体調、環境、コミュニケーションと多角的に分析し、それぞれの課題に対して適したケアを実施しました。

入居から１カ月ほどたち、ミナミさんは落ち着いて過ごされるようになり、コズエさんにも「ここは過ごしやすくて、とてもよくやってくれているよ」と話すようになりました。
コズエさんは「こんなに早く落ち着くなんて思わなかった」と驚いた様子でした。現在、電話の頻度は２週間に１回程度に減っています。

認知症の方で新しい環境に慣れず落ち着かない人は、環境に慣れるまでおおむね６カ月程度の時間を要すると言われています。
しかし、今回は１カ月程度と短期間で落ち着きを取り戻しました。
認知症グループホームは認知症ケアに精通した専門家たちが関わります。
私たちは生活に支障が出ている原因を分析し、根拠に基づいた対応をすることで、今回のように短時間で課題を解消します。

「愛の家グループホーム伊東南町」（静岡県）　ホーム長