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１０１歳の遠藤ミエさん（仮名）は和歌山県で１人暮らしをしていました。
元気に暮らしていたものの、近隣に親族はおらず、家族も頻繁に会いに行けないことから心配があり、埼玉県に住む長女の家から近い当グループホームに入居することになりました。
入居当初は、知り合いがおらず慣れない土地のため、不安な気持ちが強かったようです。
職員とは楽しそうに話していましたが、他の利用者と関わることには消極的で、１人で自分の部屋で過ごしていました。
やりたいことや希望を聞いても「特にない」と遠慮がちに話していたため、生活の楽しみになることはないか職員で考えました。
遠藤さんは引っ越しの際に持参した荷物が少なかったため、衣類や日用品の買い物に誘うと、今までにないうれしそうな表情を見せました。
店員とあいさつを交わし、支払いもそつなくこなすと「自分で選ぶのが楽しい」と話していました。
その様子から、遠藤さんは外出し、さまざまな人と関わることを望んでいるのではないかと気付きました。
そこで、以前から交流のあった学童保育に協力を依頼し、夏祭りに他の利用者と共に参加しました。
遠藤さんは緊張した様子で、たくさんの子どもたちに驚いていましたが、事業所に帰ってから「楽しかった。また行きましょう」と話しました。
これをきっかけに、他の利用者とも会話することが増えていきました。
また、近隣の介護事業所のイベントにも参加し、新たなつながりが生まれています。
認知症の方は記憶の障害から不確かな状態であることが多く、そのため自分の思いを積極的に話そうとしないことがあります。
しかし、その人の内面には変わらずやりたいことや思いはあり、それを引き出すことも介護の専門職の支援の一つです。
「愛の家グループホーム戸田笹目」（埼玉県）　副ホーム長