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林千鶴子さん（仮名）は、地域の支援サービスを利用しながら１人暮らしをしていましたが、部屋を片づけられず、食事も不規則になりました。便秘症で便秘薬を使用しており１日に何度もトイレに行き、トイレで長時間過ごすようになったことを長男が心配し、当グループホームへの入居となりました。
入居当初、林さんは「トイレに行く」と毎日大声で訴えました。便秘薬が１日３回処方されていましたが、うまく排泄（はいせつ）できずつらい表情を見せることがありました。また、いったんトイレに入ると長時間出て来ず、職員が何度も声を掛けてリビングに戻ってもらう状況でした。
職員は、林さんの訴えや行動は「腹部の不快感で落ち着かないことと、排泄のタイミングが分からず不安だからトイレにこもるのではないか」と考えました。便秘解消に効果がある水分摂取量の増加、林さんが好きな乳酸菌飲料の提供、体操などをケアに加えました。栄養士とも相談し、栄養補助食品も取り入れました。また、林さんが安心して過ごせるよう、頻繁に話しかけ、林さんの好きな歌を他の利用者も交えて歌いながら運動するなど、丁寧に関わりました。半年が過ぎると、次第に苦痛なく排泄ができるようになりました。トイレに長時間こもることもなくなりました。医療職と相談し便秘薬の処方も１日１回に減りました。苦痛なく排泄ができるようになり、林さんは表情や口調も穏やかに生活できるようになりました。
高齢者は加齢による大腸の働きの低下や、栄養・水分の摂取不足が要因で便秘になりやすいと言われています。腹部の不快感がストレスとなり、言動や行動が不安定になることもあります。そのため、適切な水分補給や食事など体調を整えるケアを実施することが、改善につながります。
「愛の家グループホーム川越小ケ谷」（埼玉県）　ホーム長