※画像はイメージです。

青木繁さん（仮名）は肺炎を繰り返し体調を崩して入院していました。自ら話さなくなり、食事や歩行などの日常生活動作も困難で、退院と同時に当グループホームに入居しました。

病院から事前に「難聴で自ら話すことも難しく、筆談でのコミュニケーションが必要」と聞いていました。それでも入居後、青木さんは職員の言葉を聞き取って簡単な会話もできることが分かりました。職員が積極的に話しかけると、次第に表情も豊かになり、青木さんから話すことも増えていきました。また短い距離であれば、介助なしで歩けました。

青木さんの状態がもっと良くなるのではないかと思い、さらなる支援を検討しました。入院中に自力での排尿が困難となって尿を排出するための管をつけていたことが、歩行を妨げる要因となっていたので、トイレで用を足すことを目指しました。往診医と連携し、トイレで排尿することができるようになりました。管を外せて歩行もしやすくなったため、リビングから自室まで、職員と歩く練習をしました。毎日繰り返し歩くことで歩行も安定し、今では一人で事業所内を歩くことができるようになりました。職員だけでなく、他の利用者とも笑顔で交流しています。家族は、予想していなかった青木さんのうれしい変化に驚いていました。

今までできていたことができなくなるなど、身体的な能力や機能の喪失を経験することで、意欲や自信をなくし悪循環となることがあります。対話や日々の関わりを通して周囲との信頼関係を築き、歩行や日常生活動作など「できる・できた」という経験を積み重ねることで、自信を回復し、本来持つ力を発揮できるようになります。

「愛の家グループホーム堺日置荘北町」（兵庫県）　スタッフ