※画像はイメージです。

池田信子さん（仮名）は、７年前に当グループホームに入居しました。
元々とても活発な方で、入居当初は日常生活の動作も自分でこなしていました。
しかし時間の経過とともに、少しずつ歩く、食べる、などの生活動作が難しくなり、日中も居眠りし、言葉を話さなくなってしまいました。
また便秘にも悩まされており、下剤を服用しても排便が困難な状態でした。

状態の改善を図るために、体調を整えるケアについて、専門職と連携しながら行いました。
池田さんは、水分量が不足していることによって脳や体の働きが低下し、それにより活動量と身体機能が低下するという悪循環になっているのではないかと見立てました。
体調を整えるために水分と運動のケアに取り組みました。
取り組み当初は、１日の水分摂取量の目標は１５００mLでした。
池田さんの体重などから１８００〜２０００mLを適正量とし、摂取できるよう支援を見直しました。
歩行については、職員が手を引いて歩いていましたが、自分で体を支え、歩く力を取り戻すためにも歩行器を使用して訓練を行うようにしました。

取り組みを継続していたある日、池田さんは自ら言葉を発するようになりました。
職員の関わりに対して「うれしい！」「何やってるの？」など笑顔で返したのです。
それだけでなく、介助が必要だった食事も自分で食べようとするようになりました。
また水分・運動の取り組みにより便秘も解消し、下剤などを服用する必要がなくなりました。

体の水分量の１％が失われることで、脳の働きが低下し「イライラする」「ウトウトする」「ボーっとする」「落ち着かない」などの症状が現れます。
池田さんの場合、適正な水分量を摂取したことで、脳の働きが改善し、体の活動性の向上にもつながりました。

「愛の家グループホーム上越源」（新潟県）　副ホーム長