※画像はイメージです。

89歳の田丸和歌子さん（仮名）は、１人暮らしをしていました。長女は県外に住んでおり、なかなか訪問できないため、田丸さんのことをいつも心配していました。田丸さんは身の回りのことを行うことが難しくなり、長女からの心配もあって、当グループホームに入居することになりました。

長女は入居当初、田丸さんのことをとても心配し、預けることに不安そうな様子で、細かく状態を聞くような電話を頻繁にしていました。半年後、食事が取れなくなり、腸閉塞（ちょうへいそく）と診断されて入院することになりました。私がお見舞いに行くと田丸さんはとても喜びました。田丸さんの状態を確認するとともに元気づけるために、できる限りお見舞いに行き、長女へ状態を伝えていました。長女から「今日の母はどうでしたか」と連絡があることもあり、田丸さんの状態を電話で聞くことが安心につながっているようでした。

その後は退院するまで毎日お見舞いに行き、長女へ田丸さんの状態を伝えました。長女がお見舞いに行くと、看護師が「事業所の方が毎日来てくれていいですね。田丸さんは事業所の方とお話をしている時はいつも良い表情で落ち着いていますよ」と話していたようです。この出来事がきっかけで退院後は、不安な様子でかけてくる電話がなくなり、長女が事業所に信頼を寄せてくれているのを感じるようになりました。

施設に入居すると、家族が遠方に住んでいたり、生活の状況が見えないため心配になります。事業所の職員が利用者と家族の橋渡しをし、利用者の状況を報告することで家族の安心につながることがあります。今回、職員が田丸さんの状況を毎日報告することで、状態を知って安心し、事業所に対する信頼にもつながりました。

「愛の家グループホーム南砺福光」（富山県）　ホーム長