※画像はイメージです。

介護施設に入居していた田口芳江さん（仮名）の日常生活動作は少しずつ低下していました。長男は、田口さんが介護施設では動くことが少なく個別のケアも難しいためそれも仕方がないと思っていましたが、当グループホームに相談したことをきっかけに田口さんの転居が決まりました。

まずは、田口さんと長男から情報収集を行い、田口さんにとって心地よい生活空間をつくることにしました。田口さんは幼稚園の先生だったので、小さい子やかわいいものが好きということが分かりました。田口さんの部屋を家族の写真などで飾り、かわいく飾ったネームプレートを作成しました。

田口さんは自分の部屋を気に入り、部屋を見た長男は「母のことをよく分かってくれている」と喜んでくれました。長男は「最初から愛の家に来ればよかった」と言い、その言葉を聞いた職員はやりがいを感じて、利用者のケアについてさらに考えるようになりました。田口さんの食欲が落ちた時、職員は食べられるものがないか探しました。食前に冷たいものを食べると食事が進むことが分かり、アイスキャンデーを用意することで食事につながりました。食欲がない時でも、好きな味や銘柄のスナック菓子を提供するとよく食べてくれました。

このような日々の変化、良い様子も悪い様子も電話や手紙で長男に伝えるようにしました。長男は「様子を教えてくれるということはよく見ていてくれるということなので、最高のホームです」と言ってくれています。家族は事業所での様子のすべてをみることができないため、利用者の状態や起こっていることが見えると家族の安心につながります。利用者の状態を詳しく話し、どのような対応をしているかを伝えることで介護施設や職員への信頼も深まります。

「愛の家グループホーム久喜吉羽」（埼玉県）ホーム長