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原島孝久さん（仮名）は身体の自由が利かないため車椅子を使用していました。妻・さと子さん（仮名）が孝久さんの世話をし、生活を継続していました。しかし、さと子さんが認知症を発症したことで２人での生活が難しくなりました。遠方に住む次女も訪れることができず、夫婦で当グループホームへ入居することになりました。

入居当初さと子さんは、環境の変化により帰宅願望と介護拒否が強くなり、落ち着かない様子がありました。ただし、介護職員や他の利用者の見守りがあることで、孝久さんの世話を継続することができました。その後は、自宅と同様のペースで動くようになり、少しずつ事業所の生活にも慣れ、落ち着くようになりました。

しかし、孝久さんが突然他界すると、再び落ち着かない様子が増え、食欲も低下し、心身状態の低下により次女へ連絡することが増えました。次女は「何かあったときに駆け付けられるように、自宅近くの施設に移動させたい」と希望するようになりました。さと子さんは住んでいた地域を離れたくないという気持ちが強く、他の施設への転居を嫌がりました。さと子さんの体調を整えるため、水分や食事量を増やすと、体調が整いました。また、さと子さんの日々の状態を次女に詳しく伝えました。職員の熱意あるケアと、さと子さんの思いを踏まえて、次女は施設転居を取りやめ、当事業所に「お願いします」と言ってくれるようになりました。

介護現場では家族への思いを介護職員が引き継ぎ、状態に合ったケアを提供し、その方らしい生活を継続できるように支援していきます。職員の熱意とともに利用者の状態の改善が見られたことで、事業所への信頼や安心が深まり、次女の気持ちの変化につながりました。

「愛の家グループホーム熊谷石原」（埼玉県）　ホーム長