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倉田秀治さん（仮名）は妻が体調を崩し入院したことをきっかけに１人暮らしをしていましたが、昨年７月に熱中症で倒れて入院となり、その後、当グループホームに入居しました。
入居当日、倉田さんは急にけいれんし、床に倒れ込みました。受診するとてんかんの発作であることが分かりました。遠方に住む長男の和樹さん（仮名）は、てんかんの持病は知っていたものの、詳しい状態は把握していませんでした。発作は入居後１カ月で計７回発生し、ケアの側面からできることはないか考えました。
倉田さんはかなり痩せており、全身状態の悪化が発作に影響を与えている可能性を考えました。食事を３割しか食べないため、好きなものを提供して食べる意欲を引き出せるよう支援しました。和樹さんに協力を仰ぐと、倉田さんの好みのものを届けてくれました。そのかいあって、入居２カ月後に８割、今では９割以上を食べられるまで回復し、顔はふっくら、表情も良くなりました。
また、発作の場面を振り返ると、質問に答えようとしている時に起きていることに気付きました。認知機能の低下で混乱が起きやすい上、質問されて答えなければならないという状況がストレスとなり、発作の引き金になっているのではないかと考えました。そこで、質問ではなく提案するようなコミュニケーションに切り替えました。職員だけでなく和樹さんとも情報共有しながら支援を続け、入居２カ月後には発作が全く見られなくなりました。状態が改善したことで和樹さんも安心しました。
てんかん発作は、身体的な不調やストレスなどさまざまな要因で起こります。認知機能の低下があると心身の不調に自分で気付けないため、支援者がその人の状況をひもとき、対応することが大切です。
「愛の家グループホーム川越的場」（埼玉県）　ホーム長