※画像はイメージです。

星松代さん（仮名）は１人暮らしをしていましたが、徐々に物忘れが増えていきました。台所で鍋を火にかけたままにして、ぼやを出してしまうことが数回あり、家族が心配し当グループホームに入居することになりました。

星さんは当事業所の開設時に最初に入居した利用者です。入居時、会話も少なく、職員を寄せ付けない様子でした。しかし、新しい方が入居してくると自ら事業所の生活を説明するなど、他の利用者の面倒をみるようになり、利用者同士で会話するようになりました。

星さんはもともと歩くことが好きで、スキーもたしなみ、80歳を過ぎても富士山登山をしていたようです。星さんの部屋には「歩ける足に感謝、両親に敬礼」という座右の銘が飾ってあり、歩くことを大切にしていることが分かりました。職員が星さんを散歩に誘うと、喜んで散歩に行くようになり、職員と会話する機会が増え、表情も明るくなっていきました。時には１時間以上歩くこともあります。散歩の途中で出会う地域の方ともあいさつや会話をするようになり、ゲートボールや地域の集会に誘われることもありました。星さんは地域の方とのコミュニケーション機会を楽しみにし、職員の送迎で、集会や親睦会にも参加するようになりました。

星さんは99歳の現在でも活発にさまざまなことに挑戦し、利用者のリーダーのように毎日を楽しんでいます。来年の１００歳のお祝いに、星さんの希望である富士山の山麓にドライブに行くことを計画しています。

介護施設の中での利用者や職員とのコミュニケーション機会だけでなく地域の人々とのコミュニケーションをしていくことで、生きがいを見いだし、主体的に活動に取り組むことで、メリハリのある生活を過ごすことができます。

「愛の家グループホーム藤沢長後」（神奈川県）　スタッフ