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秋山信夫さん（仮名）は、妻が体調を崩し入院してから無気力な状態になり、今までしていた家事や食事、服薬、散歩をしなくなり、認知機能の低下がみられるようになりました。ほかの介護施設に入居しましたが閉じこもりがちで、当グループホームに転居することになりました。
当初はかなり痩せた状態で、歩行も不安定でヨタヨタとしていました。４カ月後に秋山さんのひ孫が誕生する予定でしたが、このままでは元気な状態でひ孫に会えないのではないかと家族も心配していました。まずはバランスの良い食事や適正量の水分摂取ができるよう、体調を整えるケアを行いました。また、事業所での活動に職員が誘っても参加しなかったため、ほかの利用者との交流から始めることにしました。秋山さんが持っていた音楽のＣＤについて話題にしたり、歌を歌ったことをきっかけに、ほかの利用者とも打ち解けることができ、事業所の生活にも慣れていきました。
入居して１カ月半後には、体調が整ったので生活をもっと楽しんでもらいたいと考え、外出に誘いました。お風呂が好きなことが分かったため、スーパー銭湯に誘うと、初めは「いいの？」と遠慮がちに言いながらも、大変喜んでいました。その後はやりたいことも自ら話してくれるようになりました。心身ともに活力を取り戻し、元気な状態でひ孫の誕生を家族と一緒にお祝いすることができました。要介護状態になってからでも回復できたということに家族は驚き、喜んでいました。
生活環境の変化や精神的なストレスによって、生活への意欲が低下してしまうことがあります。身体的なケアや心に働きかけるような関わりにより「自分ができる」という自信や「したい」という気持ちを取り戻すことができます。
「愛の家グループホーム松戸小金原」（千葉県）ホーム長