※画像はイメージです。

長谷川玉枝さん（仮名）は長女の京子さん（仮名）と一緒に暮らしていましたが、買い物に出かけた際に転倒し、右足骨折で入院しました。入院中に左足も骨折してしまい、自宅に戻ることが難しくなり、当グループホームに入居しました。

入居当初は思うように歩くことができず、自由に動けないことにいら立っていました。「自分で自由に動きたい」という思いをかなえるため、環境の整備を検討しました。病院でのリハビリで平行棒を使って２mほど歩くことができていたことから、長谷川さんの居室のベッドから出入り口までの間に平行棒を設置しました。毎日、平行棒を使った歩行を繰り返すうちに、家具や手すりを伝って歩くことができるようになりました。歩行が改善したことで、部屋の外も自由に移動したいという本人の希望が生まれました。

長谷川さんが安全に移動できるように、部屋からリビングにかけて伝って歩けるように動線を整えました。他の利用者と共に過ごしたいときにはリビングに来たり、一人でゆっくり過ごした時は居室に戻るなど、自ら過ごす場所を選んで生活することができるようになりました。少しずつ事業所での生活を受け入れて、笑顔で穏やかに過ごすことができるようになりました。京子さんは、以前に「転倒させてしまったことや施設に入れることで、母に負い目を感じる」と話していましたが、長谷川さんの様子を見て「母が楽しそう。入居して良かったんですね」と話してくれています。

介護職にはその人ができる限り自立した生活を送ることができるよう支援する役割があります。安全に歩くことができる環境を整えることで、自由に動くことをかなえ、歩行機能の改善だけでなく、生活を豊かにすることができます。

「愛の家グループホーム小田原久野」（神奈川県）　ホーム長