※画像はイメージです。

花田龍子さん（仮名）は、自宅で家族と生活していました。しかし、家族が仕事で不在になる日中は、１人で過ごしており、薬を飲み忘れたり、通院を忘れたりすることもありました。本人も家族も不安を感じており、当グループホームに入居することになりました。

花田さんは背中が丸まった姿勢で、頭も下向きになっており、歩く時も前が見えないため、転倒の危険がありました。背中や首の痛みを訴えており、生活全般に支障が出ていました。この姿勢を改善することで、生活がしやすくなり、できることが増え、意欲も向上するのではないかと考え、支援をしました。歩くときに頭を上げて歩いてもらうようにしたり、両手を上げて上を向く体操を毎日実施しました。痛みがある際には無理ない程度に行ってもらうようにしました。他の利用者とともに実施したことで、継続して行うことができました。

また、花田さんは「誰かの役に立つことがしたい」という思いもあったため、家事への参加もしてもらうようにしました。立って洗濯物を干すことで、自然と丸まった背中を伸ばす姿勢が取れるようになりました。３カ月後には、背中や首の痛みを訴えることもなくなり、次第に姿勢の改善が見られるようになりました。姿勢が良くなるにつれて動きやすくなり、家事もできることが増えました。１人で自由に歩けるようになりました。家族もこの変化に「表情が豊かになり、活気が出てきてうれしい」と話しています。

高齢者は筋力低下などによって猫背になると呼吸しづらくなり、さらに筋肉の動きが悪くなります。活動が制限されたり、痛みがあることで気持ちも落ち込み、身体的にも心理的にも生活に支障をもたらします。

「愛の家グループホーム中原下小田中」（神奈川県）　副ホーム長