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菊池大輔さん（仮名）は半年前に当グループホームに入職しました。前職は工場勤務で、人との関わりが少なかったこともあり、入職当初は利用者とのコミュニケーションに難しさを感じているようでした。同じ話を繰り返す方や、つじつまの合わない話をする方などに対して、どのように対応してよいのか分からず、戸惑っている様子でした。

仕事に慣れるまでは、私と一緒に勤務し、一からケアについて伝えました。認知症の症状などの知識や、相手の立場に立って考えることの大切さについて、働きながら理解を深めていきました。また利用者に対して場面ごとにどのように声をかけるのかなどの具体的な支援方法についても、指導を受けながら身に付けていきました。

入職２カ月後には日々のケアで気付いたことを他の職員に共有できるようにもなりました。初めは戸惑いがあった利用者とのコミュニケーションも、今ではその時々にあった言葉かけができるようになりました。菊池さんは常に相手を主体に考え、自分が今どう思うかではなく、相手の思いや今の状況などを第一に考えて行動しています。今では、普段落ち着かないことが多い利用者から「菊池さん、今日泊まり（夜勤）？　うれしいな」「安心して眠れるよ」と言われるようになりました。菊池さんの言葉選びや声のかけ方には温かみがあり、利用者の安心につながっています。菊池さんはさらに専門性を高められるよう「介護福祉士の資格取得を目指していきたい」と話しています。

利用者の伝えたい思いは言葉だけでなく、声や表情、しぐさなどから感じ取ることができます。相手の思いを受け取り、その時に合わせたコミュニケーションを取ることによって、利用者は安心して過ごせるようになります。

「愛の家グループホームおとふけ」（北海道）ホーム長