※画像はイメージです。

96歳の安田ツネさん（仮名）は自宅で１人暮らしをしていましたが、歩けなくなって車いすでの生活となりました。
家事や買い物など生活に必要不可欠な動作も難しい状態でした。
火の不始末をしてしまうこともあり、遠方に住む家族も心配していました。
安田さん本人もこのまま自宅で生活を続けるのは困難と考え、地元の当グループホームを自ら選んで入居しました。

初めての共同生活に、他の利用者とどのように関わってよいか戸惑いがある様子でしたが、職員が間に入ることで他の利用者と会話が生まれ、生活に慣れていきました。
自宅での生活では食事や水分を十分に取れていなかったため、低栄養・脱水によって身体の不調が起き、体を動かすことが難しくなっているのではないかと考えました。

そこで、身体の調子を整えることから始めました。
他の利用者と一緒に食事を楽しみながら食べることで、食事量も増えていきました。
水分も積極的に取れるよう提供し、脱水を防ぐためにも１日平均１５００mLを目標に支援しました。
少しずつ身体の状態が整うことで、身体を動かしやすくなり、入居２カ月で、車いすからの立ち上がりもスムーズとなり、排泄（はいせつ）・入浴の動作は１人で行うことができるようになりました。
「美味しいものを食べたい」という安田さんは、好物の海鮮丼を食べに出かけることを楽しみにしています。

介護施設への入居は「お世話を受ける」という印象を持つ場合もありますが、必要な環境を整えることで、入居後も自分でできる状態を継続することができます。
「できる」という気持ちが「したい」という思いを生み、より豊かな生活を実現することにつながります。

「愛の家グループホームいわき平窪」（福島県）　ホーム長