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77歳の芳賀勇さん（仮名）は妻、長男と暮らしていました。
大声で怒り出す、落ち着かないなどの症状が現れるようになりました。
家族は、芳賀さんの変容を理解できず、精神科を受診して入院となりました。
芳賀さんは認知症の診断を受け、当グループホームへの入居が決まりました。
芳賀さんは、好きなものを中心に食べる生活を長年続けてきたため、栄養状態が悪く、貧血も見られました。
歩く時はふらつきがあり、トイレ動作は介助が必要な状態でした。
思いもうまく伝えられず、職員に対していら立つ様子もありました。
芳賀さんが気持ちよく生活できるように、身体の状態を整えるケアから開始しました。
好き嫌いなく食事を食べることや、積極的に歩行することを促し、排泄(はいせつ)は動作を確認しながら繰り返し実施しました。
聞き直さない、反復して言いたいことを確認する、ゆっくりと話すなど会話をしやすい環境をつくりました。
すると貧血は改善し、歩行も安定、慣れている環境では自分でトイレへ行くことができるようになり、少しずつ自信を取り戻しています。
職員との距離感は縮まり、希望を言ってくれるようになり、ナゴヤドームに野球観戦に行くこともできました。
芳賀さんの変容に戸惑い、面会をちゅうちょしていた家族でしたが、事業所職員の対応により、芳賀さんに起こっていることや認知症の病態について理解を深め、関係が改善。
面会で楽しい時間を過ごせるようになっています。
介護者は、認知症の症状による体の変化を理解できないため、適切な対応ができず症状を悪化させてしまうことがあります。
事業所の職員が目の前の利用者を観察し、必要な援助を行うことで、以前の生活に戻ったり、症状の悪化を食い止めることができます。
「愛の家グループホーム各務原前洞新町」（岐阜県）　ホーム長