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和田儀一さん（仮名）はサービス付き高齢者向け住宅で暮らしていました。食事に偏りがあるだけでなく、禁止されているたばこを部屋で吸ったり、人に迷惑をかけるなどの行動が多く見られ、退去を迫られました。和田さんの子どもたちが当グループホームに見学に来て、入居が決まりました。
入居時、和田さんは「みんなに捨てられた」という気持ちが強く、暗い表情で生活をしていました。和田さんらしく生活をしてほしいと考え、入居前は禁止されていたたばこについて、居室ではなく決めた場所であれば吸えること、大好きな酒も体の状態によっては飲めることを伝えました。和田さんは１日40錠もの薬を服薬していました。医師から「健康になり、減薬できればアルコールも飲んでいい」と言われました。健康になり、大好きなアルコールを飲めるようになるために食事をしっかり取り、体を動かすようにしました。また、「誰かのためになりたい」という気持ちが強く、当事業所の庭の草むしりを自らやってくれました。
その後に体調が整い、薬も順調に減って半分程度になりました。大好きな酒はまずはノンアルコールのビールやワインから始めました。この晩酌タイムは午後９時ごろから職員と和やかに始まります。職員に昔の話やこれから自分がやりたいことなどをうれしそうに話してくれます。寒い時でも、たばこを吸う時は決められた場所で吸い、事業所の職員や他の利用者との関係を崩さないように決まりを守りながら、自分らしい生活を続けています。
グループホームでの生活は、住み慣れた地域で自宅にいた時と同様の生活を継続できるというメリットがあります。体の状態や場所に制約がある場合もありますが、アルコール摂取や喫煙なども認められ、その方らしい、ストレスの少ない生活を送ることができます。
「愛の家グループホーム筥松」（福岡県）　ホーム長