※画像はイメージです。

私は、飲食業で接客の仕事をしていた経験から、人と関わりのある仕事をしたいと考えていました。結婚を機に福井県勝山へ引っ越して、今までやったことのない介護の仕事に挑戦しようと当グループホームへ入職しました。

入職当初、利用者は「介助が必要な人」で、介護者として身の回りの世話・介助をすることが仕事だと考えていました。しかし利用者の田代一郎さん（仮名）に出会い、考え方は少しずつ変わりました。田代さんは私のことを気に入ってくれているようで、いつも私の後ろをついて歩いていました。うれしいことがあるといつも私に抱き着いて喜びを表現してくれていました。自分はまだ何もできないのにこんなに好きになってくれる田代さんのため、何ができるかを考えるようになりました。

利用者の本当にしたいことを知りたい、やりたいことをかなえたいと考えるようになりました。「自宅に帰りたいから外に行きたい」という利用者がいた時も、一緒にとことん行きたいところまで歩き続けました。気持ちを聞きながら歩き続けること数時間、利用者の方から「部屋に帰ろう」と言い出し、その時から自分の思いを理解してくれるようになりました。いろいろな思いを聞き、その方のやりたいことに正面から向き合うようにしてきました。副ホーム長になった現在、「買い物がしたい！」「外食がしたい！」「海が見たい！」と、利用者がやりたい気持ちはすべてかなえようと職員全員で行動するようにしています。

利用者との向き合い方を変えることで介護の仕事の幅を広げることができます。目の前の利用者の目に見える困り事だけでなく、心の奥にある思いも拾い上げることで利用者と近づくことができます。

「愛の家グループホーム勝山野向」（福井県）　副ホーム長